(ChatGPT5.5により作成した要約を一部改変)
著者
Neera R. Jain ,Alfiya Battalova, Pamela Liao, Margot Young &Tal Jarus (2026)
タイトル
Different support systems, persistent stigma: disability inclusion experiences in US and Canadian medical education
URL
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/09687599.2026.2636614
背景
障害のある学生が医学教育へ平等に参加することは、障害者権利条約や各国の障害者差別禁止法などからも求められている。しかし実際には、医学教育において障害学生は依然として、
- 合理的配慮を受けるまでの手続きの煩雑さ
- 教職員の障害理解不足
- スティグマや偏見
- 学習・臨床実習環境のバリア
など、多くの障壁に直面している。
これまで障害学生の経験を扱った研究は各国で行われてきたが、異なる国の制度を比較しながら障害インクルージョンを検討した研究はほとんどない。本研究では、米国とカナダの医学教育における障害学生の経験を比較し、制度の違いが学生経験にどのような影響を与えるかを検討した。
目的
米国とカナダの医学部に在籍する障害のある医学生の経験を比較し、
- 障害支援体制の違い
- 合理的配慮へのアクセス
- 障害に対するスティグマ
について明らかにし、インクルーシブな医学教育に必要な要素を検討することを目的とした。
方法
研究デザイン
質的研究(Collective Case Study:集合的事例研究)
対象
既存の2つの質的研究データを再分析した。
- 米国の障害医学生
- カナダの障害医学生
合計20名への半構造化インタビューを対象とした。
分析方法
構成主義的グラウンデッド・セオリー(Constructivist Grounded Theory)を用いて、両国の共通点・相違点を抽出した。
結果
分析の結果、大きく2つのテーマが抽出された。
① 障害支援体制(Disability Service Harmonization)の違い
最も大きな違いは、障害支援体制が医学部教育の中にどの程度組み込まれているかであった。著者らはこれをDisability Service Harmonization(障害支援体制の調和・統合)と呼んでいる。
【米国】
支援体制が比較的整備されていた。
特徴は
- 障害支援担当者が医学教育を理解している
- 配慮申請の流れが標準化されている
- 学部内に専門部署がある
- 問題が起きる前から支援が始まる
その結果
- 配慮取得までの負担が少ない
- 教職員との調整が円滑
- 学生の心理的負担も軽減
されていた。
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【カナダ】
一方でカナダでは
- 大学全体の障害学生支援センターが担当
- 医学教育への理解が十分ではない
- 実習や病院環境への対応経験が少ない
- 手続きが複雑
という状況が多く報告された。
学生自身が
- 配慮内容を説明し
- 教員へ交渉し
- 制度を理解してもらう
必要があり、大きな負担となっていた。
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② スティグマは両国で共通して存在した
支援制度には差があったものの、障害に対する偏見やエイブリズム(Ableism)は両国共通で存在していた。
学生は、
- 障害を開示すると能力不足と思われる
- 臨床実習で不利益を受けるのではないか
- レジデンシー採用に影響する
- 将来医師として認められない
という不安を抱えていた。
また、
- マイクロアグレッション
- 障害を「問題」とみなす文化
- 「理想の医師像」に障害者が含まれていないという認識
も多く語られた。
考察
著者らは、
「合理的配慮制度を整備するだけでは十分ではない」と結論づけている。
制度が改善されることで
- 配慮取得
- 手続き
- 学習環境
は改善するが、
「障害に対する文化的偏見(Ableism)」は依然として残る
そのため今後は
- Universal Design(ユニバーサルデザイン)
- Anti-ableism(反エイブリズム)
- 教職員教育
- カリキュラム改革
- 障害を多様性として位置づける文化形成
が必要であると述べている。すなわち、制度(Accommodation)と文化(Ableism)は別問題であり、制度整備だけでは真のインクルージョンは達成できない。
